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相続問題のポイント
相続について学ぶ
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- 13遺産分割後の手続き
法律相談に関するQ&A
3 農地
財産の大半が農地の場合、農業を継ぐ相続人が単独で農地を相続することがあります。農地の相続は複雑です。民法上では相続人である子は平等の相続分がありますが、農地法では農地を所有するのは耕作者であるという大原則があります。仮に相続人が等分に相続したとしても、農業経営をしない相続人が農地を売却するには知事の許可が必要なのです。農地法は耕作者が自ら農地を所有する自作農主義を採用し、農地の権利を移転する場合は一般的に、農業委員会(または都道府県知事)の許可が必要です。もっとも遺産分割により農地を取得する場合はこの許可は必要ありません。農地法が遺産分割を例外として扱っている理由は第1に、1人の相続人による単独相続の場合は、被相続人との間に権利移転行為がなく被相続人から相続人に包括的に権利移転が生じるので、権利移転について農業委員会の許可をとる必要がないからです。第2に2人以上の相続人がいる場合は遺産分割協議前に相続分に応じた持分を共有し、遺産分割協議により権利移転が生じるので、この権利移転について農業委員会の許可が必要とも思えるのですが、遺産分割も相続による包括的承継の一環で、各相続人が承継する財産を具体的に確定する手続きにすぎず、遺産分割の効果も被相続人の死亡時にさかのぼって直接被相続人から権利を承継するとして扱われると考えられているからです。
もっとも、遺産分割により取得した後の農地については農地法が適用されます。従ってこの農地を第三者に売却する場合や宅地に変更する場合には、農地法の権利の処分に関する許可や農地転用の許可が必要です。
農地のほかに遺産がない場合は、農業を継ぐ相続人がほかの相続人から相続分を買い取らなければなりません。遺産分割協議で農業を継ぐ相続人に農地をすべて相続させる話し合いがまとまれば一番いいのですが、共同相続人中の1人が農業従事者でその他の相続人が被従事者である場合は上記の農地法の規制により、農業経営の零細化を防止するために、農地は農業従事者に承継させるべきです。農業従事者に農地を単独相続させる方法としては、農地を農業従事者に単独取得させ、農地以外を被従事者に相続させることとして、多くの遺産を相続した農業従事者にほかの相続人に対して代償金を支払う債務を負担させて公平を図ることが考えられます。しかし必ずしも遺産分割協議で相続人間の話し合いがまとまるとは限りません。
被相続人の生前の対策としては、農地はすべて農業を継ぐ相続人に相続させるという遺言書を作成するか、または、農業を継ぐ相続人に農地をすべて生前贈与する方法が考えられます。相続開始後に遺留分減殺請求を受ける可能性もあるので、家庭裁判所の許可を得て遺留分の放棄をさせることも検討できます。生前贈与は相続税よりも高率の贈与税がかかってしまいますが、農地の相続の場合は一定の条件で贈与税の猶予を認める特例措置を受けられる可能性があります。
