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相続問題のポイント
相続について学ぶ
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- 11公営住宅の使用権
- 12墓地などの祭祀承継
- 13遺産分割後の手続き
法律相談に関するQ&A
1 不動産
相続財産の中で不動産は大きな割合を占めることが多いようです。不動産は共同相続人間で分けることが難しく、分割で価値が下がることもあるので、相続争いの中心課題になることも多いようです。特に不動産しか相続財産がない場合に、数人の相続人のうちの1人が遺言で不動産を相続することになると、他の相続人の相続分がなくなります。他の相続人に相続放棄してもらうことにする場合、不動産を相続する相続人以外の相続人の相続放棄申述受理証明書が必要です。相続人全員で同意し特定の相続人1人に相続させる遺産分割協議を成立させる場合、印鑑証明を添付した相続分の存しない旨の証明書、もしくは遺産分割協議書が必要です。
この相続分の存しない旨の証明書は、不動産などを相続人の中の1人の単独名義にする便法として用いられ、「相続分皆無証明書」といわれます。生計の資本や学資金などの財産贈与を受けた原因を記載したうえで実印を押し、「被相続人から生前に特別受益を得ているので、相続分はありません。」という趣旨の内容を書く証明書で、民法903条に規定する特別受益者の相続分について作成される証明書です。相続放棄は家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出する手続きが必要で、遺産分割協議は相続人全員が署名押印し印鑑証明を添付する必要があります。この相続分皆無(不存在)証明書があればこれらの手続を省くことができます。これらの書類をもって管轄法務局で相続による所有権移転登記をすることになります。
不動産の相続で金銭により遺産分割をしたい場合は現物分割、換価分割、代償分割の3つの方法があります。現物分割は、個々の遺産を特定の相続人が直接取得するもので、通常行われている一般的な分割方法といえます。換価分割は遺産を直接分割の対象とするのではなく、未分割の状態(共有)で遺産を売却処分してその売却代金を共同相続人間で分割処分するというものです。代償分割はある相続人が特定の遺産を取得し、その代わりにその者がほかの相続人に対して金銭その他の財産(代償金)を支払う債務を負うという分割方法です。主たる遺産が不動産で、それを現物分割するのが困難である場合にとられる方法です。
代償分割で最も問題になるのが相続税の課税です。代償分割の相続税の課税価格の計算は、現物の相続税評価額から交付した代償金を控除した金額を基にして相続税を計算します。他方、代償金の支払いを受けた相続人は、代償金額そのものが課税価格になります。このことによって、相続税評価額と時価との間に差が生じている場合は相続税の計算が相続税評価額によっているために、共同相続人間で相続税額の不公平が生じることがあります。この不都合を回避するために、代償分割の対象となった財産が特定され、代償金がその財産の分割時の通常の取引価格(時価)をもとにして決定されている場合は、それを相続税評価額に引きなおして計算することが認められています。
■権利証
不動産に関しては、遺産分割の後に他人に売却するにあたって、権利証が必要となります。ところが不動産の権利証が見つからない場合も多くトラブルになることもあるので、ここで権利証について説明します。
そもそも不動産の「権利証」とは、その不動産の所有者であることを証明するものです。しかし不動産を所有している人でさえ、権利証を目にする機会は少ないのではないでしょうか。不動産の登記をする際に登記申請書の写し(副本)を法務局に提出し、登記完了時に、登記所で「登記済」の判を押した「登記済証」ものが交付されます。この登記済証が権利証です。法律の規定では、登記原因証書(売買契約書、売渡証書等)または申請書副本を添付書類として提出して、そのどちらか提出したものが還付されて登記済証(権利証)となるのですが、首都圏の場合は、実際には申請書副本による場合が大半です。
権利証を紛失してしまった場合ですが、権利証をなくしてしまっても所有権がなくなるわけではありません。権利証は不動産の所有者であることを証明する手段の1つです。その土地の所有者であることは登記所の登記簿に記載されていますので、登記所で権利者であることを証明できます。ですから、権利証がなくなっても当然に所有権まで失うわけではありません。しかし相続や譲渡、売買で所有権移転などの登記をする際には、権利証(登記済証)が必要となります。権利証は紛失または焼失しても再発行はできません。以前は、権利証を紛失してしまった場合の救済手段として、「保証書」という制度がありました。現在は不動産登記制度が変わり、権利証の代わりとして保証書を作成することはできなくなり、次のうちどちらかの手順を踏むことで、権利証を添付したのと同じ効果を得ることがきるようになりました。
(1)事前通知制度
権利証を添付できない場合に登記を完了させる前に売主などの本人確認を行う制度です。登記申請の際に権利証を添付できない理由を登記申請書に記載すれば、法務局(登記所)から登記する前に売主に対して「本人限定受取郵便」により登記申請があった事実と申請内容が事実であれば、2週間以内にその旨を申し出るよう通知(「これを「事前通知書」といいます。)が送られてきます。通知を受けた売主は2週間以内に登記申請書の印(実印)と同じ印を通知書に押印し、必要事項を記載して法務局(登記所)に提出すれば、法務局は間違いなく不動産所有者に処分の意思があることを事前に確認できますので、権利証がなくとも登記は可能になります。
(2)資格者代理人による本人確認情報の提供制度
登記申請の代理人になれる資格者(弁護士、司法書士、土地家屋調査士など)によって登記の申請がなされ、その資格者代理人が売主を運転免許証などにより本人として確認した旨を明らかにした情報を法務局(登記所)に提供する制度です。本人確認情報が適正であれば、事前通知を省略して登記が実行されます。
権利証は平成16年6月の不動産登記法の改正によって廃止されています。オンライン指定庁に指定された登記所ではインターネットによる登記申請になり、書面(紙)の申請書を使用しないために、申請書の副本に登記済判をもらうことで成立していた権利証がなくなることになったのです。権利証の代わりに「登記識別情報」というものが交付されます。登記識別情報とは、登記所が無作為に選んだ「12桁の英数字」から構成され、今までは、権利証、印鑑証明書、実印の3点セットがそろうと所有権に関する登記申請ができましたが、今後はこの「登記識別情報」が3点セットの代わりとなります。この番号を知っていることが不動産の権利者としての判断材料の1つとなりますので、その情報をしっかりと管理しておかないと、悪用される可能性が高くなります。知らないうちに不動産の名義が変わっていたという事態になりかねませんのでご注意ください。
「登記識別情報」を紛失した場合は権利証と同様に再発行はできませんので、先に説明した(1)事前通知による申請手続、か(2)資格者代理人により本人確認情報の提供制度を利用することになります。
なおオンライン指定がされていない登記所では従来どおりの申請となりますし、現在お持ちの権利証は現在も有効で、今後の登記申請の際に必要となりますのでこれまでとおり大事に保管して下さい。
