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法律相談に関するQ&A
5 介護
寄与分の問題が出てきます。遺言や生前贈与の検討の余地があります。
介護保険制度における要介護者又は要支援者と認定された要介護者等のうち、65歳以上の者の数についてみると、2006年度末で425.1万人と、この5年間で137.4万人増加しており、高齢者人口の16.0%を占めています。いざというときに備えて、かかりつけの医師についての情報、延命治療や病名告知、介護施設入所についての要望、施設入所後の自宅の処分などについて、周囲に明確にしておく必要性があります。
要介護者等からみた主な介護者の続柄をみると、約3分の2は同居している者が主な介護者で、妻が16.5%、息子の妻が19.9%、娘が11.2%と49.5%と女性が主な介護者のほぼ半数を占めています。
| 同居の家族等介護者の男女別内訳 (単位:%) | ||||
|---|---|---|---|---|
| 配偶者 | 男(夫) | 8.2 | 女(妻) | 16.5 |
| 子 | 男(息子) | 7.6 | 女(娘) | 11.2 |
| 子の配偶者 | 男(娘の夫) | 0.4 | 女(息子の妻) | 19.9 |
| その他の親族 | 男 | 0.4 | 女 | 1.9 |
| 合 計 | 男 | 16.6 | 女 | 49.5 |
介護を要する高齢者が増えている中で、女性が介護現場で活躍していることがわかります。 兄弟姉妹のなかで1人だけ独身者がいると、その者が面倒をみることもあります。本来は介護をした者がたくさんもらうことになってしかるべきものの、介護に要した被介護者のお金をめぐって相続人間でもめる場合もあります。本来は介護に尽力した相続人が寄与分をもらうはずであるにもかかわらず、被相続人の財産を使い込んだとして特別受益の主張までされる場合もありえます。介護などの被相続人のために使ったお金は、使い道について記録を残しておくべきです。
嫁に介護を頼っている高齢者も一定数いますが、嫁は相続人ではありません。寡婦である長男の嫁が献身的に元夫の親を介護するケースもよくある話です。死んでいる夫は相続できませんし、妻は夫を代襲相続することはできません。たとえ財産を死んだ後に残す口約束があっても、死因贈与契約の立証は難しいものがあります。相続人でない者が介護を続けているので、被相続人に相続人がいなければ特別縁故者として家庭裁判所に申し立てることもできます。しかし特別縁故者はあくまで相続人がいない場合の規定なので、相続人がいた場合、特別縁故者として優先権を主張できることはありません。寄与分の主張は共同相続人中にという制限があります。相続人以外の者は遺言を残してもらうか、生前贈与をしてもらう、不当利得や固有財産の範囲の認定、遺産分割の「一切の事情」として考慮されるなどの救済が考えられます。
介護をしてくれている法定相続人以外の者に対しては、遺言と生前贈与などを検討する高齢者も増えることでしょう。しかし病院に入院された方が危篤状態でギリギリのタイミングで遺言を残そうとしたが間に合わなかった、という話は多く聞きます。病状が急変してしまうと、機会を逃してしまうのです。
事業者に介護を任せる要介護者も一定数存在します。管理能力を失った高齢者が自分で入所費用を負担するにあたっては遺産の生前管理として扱い、親族が負担すれば後に分担金と処理することになりますので、老人ホームの入所に要した費用はある程度細かく記録に残しておく必要があります。各推定相続人の意見の要旨、費用の明細、出所などを記録し、銀行の通帳などの資料は保存します。
